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大人の歯列矯正治療。歯並びが悪いので直すことを考えている成人の方向け。良心的な値段(価格)の歯科クリニックを探して相談する前に。

はじめに

大人の歯列矯正治療

大人の場合の歯列矯正治療はなかなか相談しにくいものです。「高額だ」、「時間が非常にかかる」、「痛む」などという懸念が先に出てしまい、なかなか専門家の相談を受けるところまでにはいたりません。また、審美歯科、通常の歯科医院、歯列矯正歯科医院、大学病院や私立の総合病院など様々な医療機関で行っていますので相談しようにもどこで相談すべきかがわからないままに放置しておく場合もあります。

子供の場合と違って、もう何十年と自分の歯並びとつき合ってきており、不便はあるものの「今さら…」とか「特に行わなくても食事することも話すこともできる」などと自分で自分を納得させている場合も多くあります。

しかし歯並びの問題は実際に自分が考えている以上に重要な問題です。歯並びの悪さが原因で肩こり、目の疲れ、頭痛、咀嚼障害、発音障害、イライラなどに悩まされている例は実に多くあります。逆に言えばかなり乱れた歯並びの場合にはこのような症状が出ることの方が当たり前なのです。日々のこうした不具合の原因が歯並びのせいだとまったく気付かずに過ごしている人も実際には多いのです。また審美的な意味でも歯並びの悪さは内向的な性格を招き、物事に対して消極的になりがちです。

このように歯列の乱れは大人の場合、様々な悪影響を引き起こします。やはりなるべく早めに専門医院などで相談する方がいいでしょう。

歯列矯正治療の基礎知識

必要な料金・費用は?

歯列矯正治療は高額な費用を必要とする治療です。特に大人の歯列矯正治療では子供の歯列矯正よりも矯正期間が長引くことが多く、数本の歯の部分矯正の場合でも50〜60万円程度の料金がかかってしまいます。歯列が大幅に乱れて、歯並び全体の歯列矯正治療が必要な大人の場合はさらに何倍もの高額になります。

歯列矯正治療費用が高くなる1番の原因は多くのケースでは保険が効かないという理由によります。また通常の虫歯などの治療に比べて歯列矯正治療は非常に長い期間に渡る調整が必要となってきます。通常、大人の歯列矯正治療に要する期間としては、部分矯正でも1〜2年、全体的な歯列矯正治療の場合には最長で10年程度かかる場合もあります。

また大人の歯列矯正治療の費用はどのような医療機関で施術を受けるかによっても金額が異なってきます。最も安く歯列矯正を受けられる医療機関は全国の国立大学の附属病院です。いずれの大学附属病院の場合でも金属のブラケットを用いた2年程度の治療であれば70〜80万円程度が目安となります。次に費用が安いのは私立大学の附属病院です。歯列矯正治療を受ける期間や内容にもよりますが国立大学病院より10〜20万円程度高くなるくらいでしょう。

大人の歯列矯正治療の費用で最も差があるのは矯正専門歯科医院です。基本的に料金のルールはありませんが、大雑把に分けて2年程度の矯正期間を要する場合で、100万円程度を基本料金として納めた後、調整をするごとに5000円程度の費用がかかる場合と、トータル料金として120〜150万円程度を納める場合とがあるようです。後者の場合には治療期間が当初の予想より長引いても原則的に追加料金は発生しません。

保険適用は可能なの?

子供ならともかく大人の歯列矯正治療では保険適用とならないというのが常識のように思われていますが、場合によっては大人の歯列矯正治療であっても育成(更正)医療の対象として扱われ、国民健康保険や社会保険などの保険適用となる場合があります。

基本的に大人の歯列矯正治療で保険適用となるのは不整咬合の場合、および顎の切開手術を行わなければ歯列矯正治療がほとんど不可能な場合などになります。また特定の疾病によって引き起こされる歯列の乱れを矯正するときにも保険の適用となります。

保険の適用となる歯列の乱れを引き起こす疾病とは、唇顎口蓋裂、第1第2鰓弓症候群、鎖骨頭蓋異骨症、Crouzon症候群、トリーチャコリンズ症候群、ピエールロバン症候群、尖頭合指症、ダウン症候群、Russell-Silver症候群、ターナー症候群、Wiedemann症候群など、また顎の切開などを含む手術が必要なほどの反対咬合、上顎前突症なども顎変形症として歯列矯正治療の対象が大人の場合であっても健康保険適用となります。

ただし上記のような疾病による歯列矯正治療の場合には、必ず厚生労働大臣が定めた施設基準に適合している育成医療としての指定を受けた歯科医療機関で施術や歯列矯正治療を受ける必要があります。この指定を受けていない医療機関が同様の手術をすることは禁じられていますし、仮に指定医療機関以外で同等の手術を受けたとしても健康保険適用とはなりませんので注意が必要です。利用している歯科医院がこうした認定を受けているかどうかはっきりしないときにはあらかじめ確認しておくことが重要です。

矯正が終わるまでの期間は?

子供の歯列矯正治療と比較すると、大人の歯列矯正治療ではより長い期間を必要とする場合がほとんどです。これは子供と違い大人の場合には顎や歯の骨格の発達が完全に完了してしまっており、顎の形状や歯並びを調整することが難しいということが原因になっています。

ごく一般的なブラケットとワイヤーを用いた大人の歯列矯正治療(マルチブラケット)では、装置を着用している期間は平均的に2〜3年間というのが多いようです。しかし歯列矯正治療はマルチブラケットを外した後でも、歯が元に戻ってしまわないようにさらに最低でも1年、通常では2年間程度はリテーナーという器具の装着期間が必要となります。歯科医師によってはリテーナーの使用は一生涯続けた方がいいという医師さえいるほどです。つまりそれほど歯が元の不正な部分に戻ろうとする力は強いということです。

標準的な大人の歯列矯正治療の期間としてはマルチブラケット2年半+リテーナー使用期間1年半=4年間程度と考えておくといいでしょう。ただしこれも歯の並びの程度や治療方法によっても大きく異なります。

マウスピースを用いることができる程度の比較的軽い歯列矯正治療は大人の場合であっても1年以内で完了することもあります。また歯周病や虫歯などの疾患がある場合にはこうした疾患を先に治療しなければならなくなるので治療期間はそれだけ長くなってしまいます。

特に結婚や海外転勤などの予定がある場合などは、あまりに長期に渡る歯列矯正治療は行えませんので、最初に診断を受ける時点で完治するまでにどの程度の期間が必要となるかおおよその目安を歯科医師に聞いておくといいでしょう。

抜歯は必要なの?

歯列矯正治療、特に大人の歯列矯正治療においては抜歯を余儀なくされる場合が多くなります。これは骨格がすっかり成長しきった大人の場合では、子供のように顎の形状や大きさを変化させることがほとんどできないためです。

抜歯に際しては、特に痛んでもいない歯を抜くということで非常に不安に感じられる場合があります。また最近では非抜歯治療を謳い文句にしている歯列矯正などもあるため本当に客観的で正しい情報がわからないということも抜歯に対して不安を感じる原因の一つとなっています。しかし先にも述べたような事情で大人の歯列矯正治療の場合には抜歯をすることが矯正の際にどうしても必要となる場合が多いのです。

抜歯を必要とする大人の歯列矯正治療の場合というのは、
●歯の大きさと比較して顎の大きさが小さいために顎骨の拡大術や歯列弓の拡大に限界があるとき。
●上顎、下顎の歯の数に不調和があるため、抜歯なしでは矯正できないとき。
●上顎、下顎の歯の大きさに著しい不調和があるとき。
などとなっています。このように抜歯を行わなければ適切な歯列矯正治療が行えないようなケースにまで非抜歯を主張するのは無意味であり、またかえって危険な治療となってしまう場合があります。そのため大人が最良の歯列矯正治療を受ける場合には、抜歯をするべきか温存すべきかを多くの経験や知識によって正確に判断できる矯正歯科医師を探すことが最も重要なこととなります。どうしても歯科医師の判断に納得がいかない場合などはセカンドオピニオンなどを積極的に利用する方がいいでしょう。

痛みはあるの?

大人の歯列矯正治療の場合ではまず抜歯をすることから始めなければならないケースが多いようです。そのため、大人の歯列矯正治療でまず最初に痛みを感じるのは抜歯のときということになります。抜歯の際には必ず麻酔の注射をしますが、それ以外にも笑気ガスを用いて麻酔を行ったり、あるいはこれらを併用したりします。抜歯による痛みは3〜7日程度続くことがあります。この間は痛み止めなどの薬の処方をしてもらうことになります。

大人の歯列矯正治療では歯列矯正のための装置を装着する前段階として、奥歯の間にセパレーションリングと呼ばれるゴムの輪を挿しいれて歯間を押し広げなければなりません。一般的にはこのときが歯列矯正治療の中でも最も痛いと言われます。食事などの際に歯と歯がぶつかると飛び上がるほどの痛みを感じる場合があります。

これらの処置を終えるといよいよ矯正装置を装着する段階となりますが、この装着の際にもやはり痛みは生じます。ブラケットを固定する際はそれほどでもありませんが歯が浮いたような違和感を訴えるケースはよく見られます。その後ワイヤーを通す段階ではさらに痛みが増すようです。食事の時間などがやはり最も痛みますが、装置と粘膜や舌などが擦れ合うことによって口内炎が生じやすいためその痛みも加わることになります。

しかし大人の歯列矯正治療におけるこうした痛みは1週間もすると嘘のようになくなる場合がほとんどです。長期間に渡ってどうしても痛みが引かないようであれば医師に相談しましょう。また最後に装置を外す際も若干痛むことはありますがこれはそれほどの痛みではありません。

使用する装置・器具は?

大人の歯列矯正治療では症状に応じて様々な装置を使います。矯正治療に使用される装置を大きく分けると機械的な部品で直接歯の移動や顎の形状を整える器械的矯正装置と、装着することで自然に口腔機能を整える機能的矯正装置に分けられます。

大人の歯列矯正治療で最も一般的に使用されるのはブラケットとワイヤーを用いるマルチブラケットと呼ばれる装置です。マルチブラケットでは各々の歯の表面もしくは裏側にブラケットと呼ばれる小さな装置を接着し、すべてのブラケットにワイヤーを通します。この後ワイヤーの調整によって歯列を少しずつ整えます。

大人の歯列矯正治療の場合でも上顎の形状や奥歯に問題があるときにはヘッドギアを使用する場合があります。これは上顎を強制的に成長抑制したり、奥歯を後方に移動したりする場合に使われます。ただし最近では非常に便利で使い勝手のいい小型の矯正装置が次々と開発されており、あまりヘッドギアを用いることはなくなりました。

出っ歯やすきっ歯などで軽微な歯列矯正治療ではマウスピースなどが使用される場合があります。マウスピースは顎の形状に問題がある場合などには使用されません。

また機能的矯正装置として大人の歯列矯正治療に用いられる代表的な装置にはバイオネーターやフレンケル、リップバンパー、バイトプレート、ジャンピングプレートなどがあります。これらはいずれも口腔内筋の力や舌の機能を利用して矯正する装置です。器械的矯正装置ほどの矯正力はありません。

使用するゴムは?

大人の歯列矯正ではブラケットとワイヤー以外にも段階に応じて様々なゴムが使用されます。まず歯列矯正治療の準備段階として歯間を開くためにゴムの小片を歯と歯の間に挿入することがあります。これは最初大変違和感があり、また痛みを訴える患者も多くいます。数週間に渡って着用しますが、必要に応じて交換します。

マルチブラケットによる歯列矯正治療が開始してからもズレを矯正するためにゴムが使用されます。この際に使用するゴムは口の開閉に負担がかかり、発音するときにも影響が出るため、仕事に支障が出ることを恐れて嫌がる人も多くいるようです。また目立たないように高額な料金を払って裏側矯正を選んだ人の場合などには、ゴムが人目につくことに対して極端に抵抗を感じる人も見受けられます。稀に大人でもゴムを使用せずに歯列矯正治療が完了することがありますが、これは比較的症状が軽い場合だけだと考えておいた方がいいでしょう。

またこうした一連の矯正治療の後にも顎間ゴムと呼ばれるゴムでさらに調整を行う場合もあります。こうしたゴムはなるべく長時間着用することで効果を発生するものですから、嫌がらずに我慢した方が早く歯列矯正治療の効果が出ます。特に大人の歯列矯正治療では顎が硬くなっており、子供のときのようにはスムーズに治療が進行しませんから、ゴムの使用は治療上避けられないと思っておいた方がいいでしょう。

またブラケットとワイヤーを固定する際にも最近ではカラフルなゴムが使用されることがあります。せっかくですからファッション感覚で様々な色合いのゴムを交換して楽しむといいでしょう。

目立たない矯正方法ってあるの?

大人が歯列矯正治療を行う際には仕事上の制約や不利益なども考慮に入れて慎重に方法や時期を選ばなければなりません。他人と対面して行う仕事やひんぱんに人と会う必要のある職業の場合はなおさらです。このような制約がある場合には見た目の上でなるべく目立たない矯正方法か、目立っても治療に必要とする期間が短縮できる方法かのどちらかを選ぶとよいでしょう。

見た目が目立たない大人の歯列矯正治療としては裏側矯正やマウスピースなどがあげられます。なかでも裏側矯正に関しては特に表側からは気付かれないいい方法ですが、裏側矯正の場合であっても顎間ゴムなどを使用する段階では口を開くとゴムが見えてしまいます。状態によってはゴムを利用することなく歯列矯正治療が終了する場合もありますが、気になるようであればあらかじめはっきりと担当歯科医師に聞いておくといいでしょう。

またこれらの他にも最近では少しでも目立たなくする方法や、歯列矯正の期間を短縮できる方法などがさかんに開発されています。いくつかそうした例を紹介しましょう。

最近よく耳にするデーモンシステムというのは、方法的にはブラケットとワイヤーを用いた方式に近いものになりますが、この方法ではセルフライゲーティングブラケットというものを用います。このデーモンシステムのメリットは従来のシステムに比較して歯列矯正の時間を短縮できるというメリットがあります。またセルフライゲーティングブラケットそのものにも半透明の素材を用いたタイプなどが開発され、目立ちにくくなっています。

見えない矯正方法ってあるの?

歯列矯正治療は受けたいがどうしても外から見えるのは困る、職業的に受け入れられないというケースは意外と多いものです。大人の歯列矯正治療では子供の場合と違ってこうした社会的な制約を受ける場合が少なくありません。

基本的に表側から見えない歯列矯正治療としては裏側矯正が最もおすすめです。ブラケットは歯の裏側に取り付けられ、ワイヤーを通しても表側からはまったく何も見えません。余程大きく口を開けば歯の裏の装置が見えることもありますが、通常の会話程度であればまず間違いなく気付かれないでしょう。ただし裏側矯正にはデメリットもあります。まず表側からの矯正に比べると価格は1.5倍程度高くなりますし、矯正期間も長引きます。また裏側矯正でも顎間ゴムを使用する段階ではどうしてもゴムの存在が口を開くと見えてしまいます。

裏側矯正の次に見えない、見えにくい歯列矯正治療として、大人の場合にはよくマウスピースタイプの矯正が用いられます。マウスピースは透明ですので、ほとんど気付かれる心配もありませんし、また自分で取り外すことも可能なため会話や食事の際に取り外すなどの融通が利きます。通常のマルチブラケットに比べれば適応範囲は限られますが、それほど重症でない歯列の乱れで、外から見て歯列矯正を行っているのが分るのは困るという場合には最適な選択肢と言えるでしょう。

またマウスピースの新しいタイプとしてインビザラインやクリアライナーなども普及し始めています。本来マウスピースタイプでは大人の歯列矯正治療に用いるには矯正力が不足して使用できない場合がありましたがこれらのタイプではそのような欠点を新しい技術によってカバーしています。

確定申告での医療費控除

大人の歯列矯正治療は審美的な目的で行われることが多いため最初から医療費控除の対象とはならないとあきらめている人がいますが、これは大きな間違いです。たとえ大人の歯列矯正治療の直接の動機が審美目的であったとしても歯並びの悪い人の多くは咀嚼を行う上で問題がある場合が多く、このような場合には「咀嚼障害」という内容の診断書が歯科医師からもらえさえすればほとんどの場合で医療費控除が受けられます。

また歯列矯正治療を行う歯科医師の中には日本矯正歯科学会によって認められた認定医がおり、認定医によって咀嚼障害などの診断書が書かれた場合は100%医療費控除が認められると思ってよいでしょう。

ではそもそも医療控除とは一体どのような制度でしょうか。医療費控除とは自分や家族が支払った年間の医療費用が規定を上回った場合に一定の所得控除が受けられるというシステムです。医療費控除は1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を越えるか、年間所得が200万円未満の場合は所得の5%を越えるか、どちらかに該当する場合に適用されます。医療費控除が適用されるのは自分や家族の他、生活を一にする親族であっても認められます。また同居していない両親などの場合でも生活費のほとんどを負担しているような場合にはやはり医療費控除の適用となります。

歯列矯正治療の医療費控除を受けるには必ず確定申告を行うことが必要です。確定申告を行った経験のない人に取っては難しいことのように感じられますが、実際には税務署で確定申告の詳しいアドバイスも行っていますからやってみると意外と簡単です。ただし支払った医療費用の内容を証明するものとして、領収書やレシートなどの類いは必ず保存しておきましょう。

歯列矯正治療の種類

裏側矯正治療

大人が歯列矯正治療を行う場合には、子供の場合よりもはるかに外見を気にしなければならないケースが多くなります。モデルや受付などの職業の場合はもちろん、通常の販売業などにおいてもできれば外側からはわからない歯列矯正治療を行うことが望まれます。また営業職などでひんぱんに人に会うような立場でも同様のことが言えます。

このような場合の大人の歯列矯正治療では裏側矯正(舌側矯正)がベストの選択となります。裏側矯正は歯の裏側にブラケットと呼ばれる細かな器具を装着し、これに通したワイヤーを調整することで徐々に歯並びを整えていきます。外側からはよほど大きく口を開けたりしない限り矯正していることに気付かれる心配はありません。

しかし裏側矯正の場合、大人の歯列矯正治療においてもいいこと尽くめという訳にはいきません。まずブラケットやワイヤーが歯の裏側に装着されることによる異物感が歯の表側で矯正する場合よりも大きいようです。こうした異物感は数週間程度で慣れてしまいますが、それまでは矯正器具と接触することによる口内炎などを生じることが多くなります。また裏側矯正では歯の裏側の歯磨きが非常に困難になるため虫歯や歯周病などが発生することがあります。

さらに費用の面でも通常の表側の歯列矯正治療と裏側矯正とではおおむね1.5倍もの価格の差があります。これは裏側矯正では特殊な器具を必要とすることと技術的にも表側の矯正に比べてワイヤーの調整が難しく、高い技術が必要となるためです。

マウスピース矯正治療

マウスピースによる歯列矯正治療では透明の樹脂でできたマウスピースを一定期間に渡って装着することにより歯列矯正を行う方法で、大人の歯列矯正治療においてもよく使用されます。

マウスピースにはインビザライン、クリアライナー、アクアシステムなどの種類がありますが、マウスピースによって歯並びを少しずつ矯正していくという基本はどの方法でも同じです。マウスピースは2週間ごとくらいに新しいものと交換します。マウスピースは自分でも取り外すことが可能ですが1日20時間以上装着しておくことが条件となります。最近ではマウスピースを作成するにはCAD/CAM技術と呼ばれる光造形の高度な技術が用いられることが多いようです。

マウスピースによる大人の歯列矯正治療のメリットとしては、まずあまり目立たないということがあげられます。透明の樹脂でできたマウスピースはそれと言われなければ近距離に居ても気付かれないほどです。またマウスピースによる歯列矯正治療は痛みがほとんどないことも大きな特徴です。食事や話すときには取り外すことも可能ですが慣れてくると装着したままでもなんら不便を感じないようになります。また大人の歯列矯正治療で最も一般的なブラケットとワイヤーを用いる方法(マルチブラケット)に比べてマウスピースによる矯正は価格的にも格安となります。

このようにメリットの多いマウスピースですが、残念なことに矯正の必要の比較的軽い場合にしか使用することができません。マウスピースを用いた歯列矯正治療はブラケットやワイヤーほどの矯正力がないのです。

インプラント矯正治療

大人の歯列矯正治療でインプラントが用いられる目的は大きく分けて2通りあります。1つは歯列矯正治療の際の固定源として使用する目的でインプラントを埋め込む場合で、もう1つは歯を失った人が入れ歯やブリッジなどを使用しないでインプラントによって歯を再生させる場合です。

まず、歯列矯正治療の際の固定源としてインプラントを用いる場合には、ブラケットやワイヤーと併用することになります。インプラントを固定源として用いる最大の理由は歯列矯正治療にかかる期間を大幅に短縮できるという点です。効果的にインプラントを利用した場合では通常の歯列矯正治療の半分程度の期間で矯正が完了する場合もあります。

また虫歯や事故などで歯を失った人が入れ歯などの代わりにインプラント治療を受ける場合には、インプラントを歯根として顎の骨に埋め込んだ上で人工の歯を装着します。インプラントによって形成された歯は、入れ歯やブリッジなどとは比較にならないくらい、自分の歯に限りなく近い使用感を得ることが可能です。また埋め込むインプラントはチタンでできているため金属アレルギーや虫歯の心配もありませんし、チタン製のインプラントは埋め込んで年月が経つに従って周りの顎の骨格と一体化してきますからますます安定感がよくなります。

インプラント技術は顎の発達が完了しなければ行うことができませんから大人の歯列矯正治療で用いるには最良の方法の一つであると言えるでしょう。しかしインプラントには気を付けるべき点もあります。まず歯を失って長い期間が経っている人の場合には顎の骨がもろくなっている場合があり、このようなときにはまず顎の骨そのものを強化する必要があります。また大人の歯列矯正治療の方法の中でもインプラントは最も高額な方法の一つで、保険適用ではないため全額個人が負担しなければなりません。通常1本のインプラントにつき5万円程度の出費が必要となります。

部分矯正治療

歯列の乱れが部分的である、出っ歯、すきっ歯など前歯や一部の歯だけに限られているというような場合には大人の場合にも部分的な歯列矯正治療方法が用いられる場合がよくあります。

部分矯正というのは歯の乱れがごく一部にのみ限られる場合に利用されますが、全体的に乱れの激しい歯列の場合に「とりあえず前歯だけを」という場合もよくあります。本来こうした付け焼き刃的な歯列矯正治療はおすすめできませんが、あまり時間や費用に余裕がない場合にはこのような部分矯正が行われることもあるようです。

通常の前歯だけの部分矯正の場合に最もよく使われるのはマウスピースを使用した方法です。マウスピースは本来大きく乱れた歯列を矯正する際には用いることができませんが、出っ歯やすきっ歯程度でしたらマウスピースだけで完治できる場合が多いようです。

マウスピースは1度作ったらそのまま付けっぱなしというようなものではありません。通常は約2週間ごとに少しずつ形状を変化させたマウスピースに取り替えて少しずつ歯の矯正を行います。マウスピースはこのように大人の部分矯正でひんぱんに使用されますが、マルチブラケットなどと違い、マウスピースは透明なためほとんど目立たないという点も人気の理由の一つとなっているようです。

また芸能人などがある日突然美しい前歯に変身していたりすることがありますが、あれはほとんど審美歯科によるもので、前歯の上にセラミックスの薄い膜を被せたようなものが多く、医療的歯列矯正治療とは根本的に異なります。

症例別の矯正治療

歯並びの矯正治療

大人の歯並びの矯正は子供の場合と違って審美的な理由によるものの割合が多くなります。しかし歯並びが悪いではたいていのケースでかみ合わせの問題や、歯磨きが行き届かないなどといった衛生上の問題を抱えている場合が多いのも事実です。

子供と異なり大人の歯並びの調整には一般的に非常に長期間に渡る歯列矯正治療が必要で、費用も子供の場合のほぼ倍額となります。なかなか簡単に決断できるものではありませんが、歯並びの悪さに起因する頭痛や消化不良、神経への影響などが見られるようであればやはり歯列矯正治療を受けた方がいいでしょう。

マルチブラケットなどによる本格的な歯列矯正治療はいったん始めたら途中で止めると元の歯並びに戻ってしまうので、例え仕事などで忙しいときでも途中で中断することはできません。大人が歯並びを矯正しようとするときには、今後5年間程度は治療が続くものと考えて、あらかじめ入念に仕事上での差し支えがないかを考慮し、ライフプランを練っておく必要があります。

また最近では結婚式に備えて歯並びを矯正したいと考えるケースが多いようです。また海外の出張が控えており、しかも赴任先が欧米であるような場合には歯並びの矯正を済ましてから海外に渡るようなケースもあります。欧米では日本とは比較にならないほど歯並びに対する意識が発達しています。重要なビジネスでは歯並びが悪いというだけで好ましくない印象を与えることがあると言っても過言ではありません。ビジネスの成功を歯並びが左右するとあっては歯列矯正に無関心ではいられません、とはいえ歯列矯正はある程度の期間を必要とします。時間的に余裕がない場合などはマウスピースなどの使用による短期間の矯正を選択したり、即効的な効果のある審美歯科の施術を受けるというのも一つの方法です。

かみ合わせの矯正治療

かみ合わせの悪さなんてたいしたことではないなどと簡単に考えている人も多くいるようですが、悪いかみ合わせを矯正せず放置しておくと、回り回って様々な深刻な不具合を身体に生じる場合があります。

大人の場合のかみ合わせの悪さの影響が最も出やすいのは、肩こり、神経痛、頭痛などです。矯正もせずに悪いかみ合わせのまま生活していると、かみ合わせの不具合が顎の関節のズレを引き起こします。顎の関節の不具合はやがて首にも負担をかけるようになります。さらに首のズレや緊張は肩、背中と移動し最後には体全体の不調を引き起こしてしまいます。

こうした身体の各部分のズレは原因不明の体調不良を引き起こし、慢性疲労や睡眠障害、貧血、肩こり、頭痛などといった症状となって現れます。こうなってしまっては決して「たかがかみ合わせ」では済まなくなってしまいます。

一方で大人のかみ合わせの悪い場合には、イライラや不安といった精神的な症状も引き起こすことが分っています。見た目の上でもはっきりと分るような歯並びの悪さの場合、口元を見られることを極端に警戒し、人前に出なくなったり、内向的になってコンプレックスを抱くようになることもあります。またかみ合わせが悪いと睡眠中にさかんに歯ぎしりをすることで歯や顎に大きなダメージを与えることもあります。

特に食事の際におけるかみ合わせの悪さは健康上の大きな障害を引き起こしがちです。かみ合わせの悪い人は、舌を用いて歯に食べ物を押し付けるようにして食べるという悪い癖がつくことがあります。これは消化の上からも問題で、胃や腸に余計な負担をかけるため消化不良などを起こしやすくなります。このような場合にはやはりしっかりと歯列矯正治療を受けた方がいいでしょう。

前歯の矯正治療

前歯の不揃いは歯並びの中でも最も気になる点です。上顎の前歯は歯そのものも大きいため非常に目立ち、笑ったときなどの顔全体の印象を大きく左右します。中でも前歯2本だけが乱れているというケースがかなり多く見受けられます。前歯2本が重なっている、内側にくぼむように生えている、前歯が大きくて出っ歯になっている、前歯が「ハ」の字の形に開いている、前歯の間に隙間がありいわゆるすきっ歯になってしまっているなど、非常に多くの症状があります。

こうした大人の前歯だけの歯列矯正治療はマルチブラケットなどといった本格的な方法ではなくても、マウスピースなどで矯正できる場合が多くあります。マウスピースで矯正できる程度であれば、矯正自体が簡単で痛みもほとんどなく、また何と言っても本格的な歯列矯正治療の3分の1程度の割安な費用で完治が可能です。また治療期間もマウスピースを用いる場合、通常は1年間程度ですから、本格的な歯列矯正治療に比べれば半分もしくは3分の1という短期間で治療することができます。

また大人の場合、年齢的なことを気にする人も多く見られますが、基本的には前歯程度の矯正であれば年齢の制限はありません。ただし前歯の矯正だけではかみ合わせが悪くなってしまう場合などは、やはり本格的な歯列矯正治療が必要となります。また歯周病や虫歯などがある場合にもそれらを完治した上でマウスピースを使用することになります。出っ歯、すきっ歯、八重歯など前歯の異常で悩んでいる人は非常に多くいます。気になるようであればやはり歯科医師や歯列矯正治療のできる医療機関で一度しっかりと相談するのがいいでしょう。

出っ歯の矯正治療

大人の歯列矯正治療で最も多いのがいわゆる出っ歯の治療です。出っ歯はできることならば子供のときに矯正治療で直すのが理想的です。子供のときには顎の骨格などがまだ柔らかいので矯正しやすいのです。

大人の場合、一口に出っ歯と言っても大きく分けて3種類のタイプがあります。最も多いのは前歯の傾斜が大きく、外に向かってせり出しているタイプです。典型的な出っ歯のタイプということができます。

2番目は舌の顎が小さいため下の歯が大きく後退しているタイプです。前歯そのものは正常であっても下顎が後退している分だけ出っ歯に見えてしまいます。

3番目の出っ歯は日本人などのアジア人では滅多にありませんが、上顎そのものが大きくせり出して出っ歯となっているタイプです。この場合前歯そのものはむしろ内側に傾斜している場合も多いため本人でも出っ歯であることに気付いていないことが多いようです。このタイプの出っ歯は欧米人に多く見られます。一般的には出っ歯はアジア系の人種に多いように思われがちですが、このようなタイプの出っ歯まで含めて考えた場合にはアジア人であっても欧米人であっても出っ歯となる割合は同じようなものです。

3番目の上顎そのものが大きくなる出っ歯の場合にはかなり難しい外科的な手術で直すしかありませんが、1番や2番のタイプ、つまり日本人のほとんどの出っ歯は大人でも歯列矯正治療で治すことが容易にできます。

大人の出っ歯を歯列矯正治療で治す方法は多くありますが、歯の収まるスペースがない場合には先に抜歯を行います。軽微な出っ歯の場合はマウスピースを用いて部分的な歯列矯正治療で完治できることもあります。

八重歯の矯正治療

八重歯に限らず歯が重なって生えている状態を叢生(そうせい)といいます。叢生が起きる原因としては歯の大きさと顎の大きさのアンバランス、後から生えてきた歯が非常に大きな歯でもあるに関わらず歯ぐきにスペースがない場合などがあげられます。

叢生の中でも八重歯のみは日本でチャームポイントとして受け取られる場合もありますが、これは日本だけのことです。歯並びに対して高い審美眼を持つ欧米では八重歯は必ず子供のときの治療対象となります。大人になっても八重歯を矯正せずにいると貧困層の人だと思われかねません。また中国などでも縁起のよくない歯並びとして嫌われます。

八重歯や叢生の矯正治療としては3通りの方法があります。1つは歯を抜かずに顎のスペースを拡げることで八重歯を納める方法。2つ目は八重歯や周囲の歯を削って小さくすることで納める方法。3つ目は歯を抜いてスペースを作る方法です。八重歯は程度の軽いものから叢生が進んでいるものまで様々な程度に分けられます。比較的軽度の大人の八重歯であれば歯列矯正治療によって歯を小さくして歯並びを整えます。

また大人の八重歯の歯列矯正治療では歯を抜いてスペースを確保する場合もありますが、その際には八重歯(犬歯)そのものは抜きません。犬歯という歯は歯根が大きく、食事をする際にも非常に重要な働きをしますし、また丈夫で虫歯にもなりにくく、年老いても最後まで残る確率の高い重要な歯です。このため八重歯(犬歯)は温存し、その隣に位置する小臼歯を抜き、そのスペースに八重歯を移動させて矯正します。八重歯の矯正治療費用としては、状態にもよりますが、保険適用ではないため100万円程度かかることもあります。

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